2023年01月26日
准教授 美紗子(98)
美紗子の胸が透の緊張を解した。
「また大きくなった?」
透は美紗子の胸を見つめて訊いた。
「…そうみたい」
美紗子は興味なさそうに返して、テーブルをナプキンで拭いたり、椅子の位置を直したりして透が体に触れてくるのを待ったが、何も起こらなかったのでキッチンに戻った。
冷蔵庫の扉を開けて、ワインを取り出すとリビングのテーブルに置く。テーブルにはシャンペンも置いてある。
その美紗子の胸に透の視線が注がれている。カシミヤのセーターは上半身にフィットしているので、彼女の華奢な上半身にGカップの乳房は目立つ。それもパットが省かれたブラなので体の向きを変えたりするだけで震える。
「…もうすぐ卒業か。わたしのことも卒業するの」
美紗子は手を止めて、透の嫌う台詞を何度も口にした。
「また始まった。美紗子先生の不安症が」
透は苦い顔で返す。
「だってそうじゃない。秋の旅行の後、一度も誘ってくれなかったのよ」
美紗子は不満を顔に表して透を見つめる。
「ごめん」
透は美紗子から視線を逸らして謝った。
「美紗子先生のオマンコは俺のモノとかご立派なことを言うくせに」
美紗子はここぞとばかり透をいじめる。
「ごめん」
透はふたたび謝った。
炭酸の泡が落ち着くのを待って美紗子はグラスを捧げた。透も美紗子のグラスにグラスを合わせる。
「カンパイ!」と美紗子は明るい声をあげた。
それに対して透は、
「乾杯」とふだんの平坦な声で言った。
いまの美紗子にはそんな些細なことでも気になる。イブの夜に男が彼女の前で高揚のない乾杯の声は女にとってはこの先、別れ話でもされるような不安を覚えるのだ。
「このセーター、似合わない。それとも、わたしに飽きた」
美紗子はグラスから視線をあげて透を見つめる。
美紗子の美貌をもってしても不安症という心の病は自信を無くさせるものなのか。透は美紗子を不憫だと思った。
「そんなことないよ。美紗子先生に飽きたなんて。何回も言うけど、現在も過去も未来も美紗子先生、一穴主義です」
透は強く主張して美紗子を慰めた。
美紗子は黙って聞き流してから透を見つめ、
「その一穴主義って、わたし信じていいのね」
と、造り微笑で透を見つめる。
「信じていい」
透はそう言って美紗子を見つめ返してから、椅子から立って窓際まで行きカーテンを開けた。そして覗き男のマンションを確かめてからカーテンを締めた。
「覗いていない」
透はテーブルの美紗子に聴こえるような声で言った。
「あんなに見せたから飽きたのよ」
その声は透の耳元で聴こえた。
透が振り向くと美紗子が立っていた。セーターの胸が透の左腕に押し付けられている。
透はその左腕で美紗子の腰を抱き寄せるとリビングへと戻っていく。
「旅行のときのような岩下くんに戻って」
美紗子が胸を透の身体に押し付けながら言う。
透は立ち止まると抱き寄せている左腕を一層強くして、美紗子の乳房を右手で鷲掴んだ。そしてセーターごと揉みしだいていく。手に余るボリュウム満点の乳肉がセータごと荒波を打つ。
「こんなにオッパイを大きくして。スケベな美紗子先生。揉んでやる、揉んでやる」
透は乳房を揉みしだきなが、うなされるように呟く。
「あぁン…ぁぁ…ン」
美紗子は透の感情的な愛撫に嗚咽し、乳房を透に預ける。
透は美紗子がぐったりするまで乳房を揉みしだいてから、抱き支えるようにしてリビングに戻り、彼女を椅子に腰掛けさせてから自分も椅子に腰掛けた。
「ケーキと鶏肉、いつまでお預けなの」
透はひと仕事終えたかのように美紗子を促した。
次の更新は2/3(金)です。